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「ん~!美味し~い!」



「蕎麦でそんなに喜ぶ奴を俺は初めてみたぞ。」




頬杖をつきながら瑞季を見ると、瑞季が



「蕎麦をナメちゃあダメだよ!」



と頬を膨らませる。



…そんなにムキになんなくてもぃぃんじゃねぇのか?


そう思いながらため息をつくと、瑞季はジトーとした目で俺を見てきた。



分かる。分かるぞ、俺は。

お前の言いたい事が手に取る様に分かる。



どうせ、こう思ってるんだろ。




「「私が食べてるのにため息つかないで。」」




……ほらな。



瑞季の言葉と俺の予想が見事に当たっていた事に対して俺は自慢気に瑞季を見る。


すると、瑞季はすげぇ嫌そうな顔をして俺を見ていた。



…そんなに顔を歪めねぇでもぃぃじゃねぇか。




瑞季に苦笑いをすると瑞季はフンッと顔を背けてまた、ソーキ蕎麦を食べ始めた。



俺に対してはすげぇ顔をしたのに蕎麦を食べた途端に機嫌が治ったのを見て俺は

本当に食う事が好きだな

と感心した。