「ねぇ、鳥が見たい!」
「はぁ!?」
「見ーたーいー!」
「お前、本当に言ってんのか?」
「私は嘘付かないもーん。」
「…そうかよ。」
グッタリと項垂れてそのままため息をつく。
「どうしたの?渉。」
不思議そうに俺を見つめる瑞季。
言ってもぃぃ。
だけど、瑞季が楽しめなくなる。
…鳥が……苦手。だなんて言える訳がねぇ。
チラッと横を見ると
「カラフルな鳥さんが居たらぃぃよね!
見がいがあるし、何より可愛ぃし!お持ち帰りしたくなる~!!」
瑞季のテンションが高くなってたから余計に言えなくなった。
しょうがねぇ。こうなったら我慢だ、渉。
拳を握り締めてそう自分に言い聞かせて
「じゃあ行くか。」
「本当に!?」
「あぁ。」
結局、OKしてしまった。
俺は、瑞季に弱ぇ。
改めて、実感した。

