俺が瑞季を見ると、瑞季は儚げに笑った。




「ごめんね、無理って断ったのを撤回しにね。


渉が私に"何でシたいの?"って聞いた日あったでしょ?その日に、渉が寝た後に電話で言ったの。


でも、渉にあの質問された時、凄く迷ったの。"渉とシたいから"って言おうかどうか。


でも、ヤりたいからヤる。って気が付いたら答えちゃってた。


でもこれって、渉とシたいからする。って意味で言ったんだけど、渉の顔見たら嫌われたと思って。


それに、セフレみたいな関係が嫌だなってずっと思ってたから…

この際、嫌われるか好かれるかしかないんじゃないかなって思って…。


嫌われた方が楽になるのかなって思ったらもう止まらなかった。


"渉の他にヤる人が居る"みたいな言い方しちゃったけど居ない。全部、嘘だよ。」




瑞季が寒そうに毛布を肩まで上げて体育座りをする。




「私には渉だけだよ。渉が私を知る前から…。」



「…え?」




そこで初めて瑞季とちゃんと目が合う。




パチリ、と音が聞こえてくるかのように。







「私、渉に一目惚れだったの。」