「渉…っ、怒って…るの?」



「もぉそりゃあ凄く。」




全ての行為を止めて、おずおずと俺を見てくる瑞季の目を見ながらニッコリ、満面の笑みを浮かばせる。




「だってしょうがないじゃない!」



「うぉっ。」




そしたら瑞季は華麗なパンチを俺の顔目掛けて飛ばしてきた。



いやいや、危ねぇって。


避けたからぃぃものの当たってたら痛ぇぞ、今のは。




「おまっ、あっぶねぇじゃねぇか!」



「だって渉が…私が悪いみたいに言うから!」



「はぁ!?全てわりぃっつってねぇ。ただ、瑞季もわりぃ処あったろーが!」



「それ言ったら渉だって悪い処あったもん。」



「だからわりぃと思って告白したんだろ!」



「知らない!」



「知らねぇだと?」



「…。」




頭にきた。


んだコイツ、俺に喧嘩売ってんのか。




未だそっぽを向いている瑞季を見る。




「…。」



「…。」



「…。」



「ご、ごめん…。」




そのままジーと瑞季を見ていると瑞季は静かに口を開いた。




「本当は覚えてる…。」




こっちを見た瑞季は涙を目に溜めていた。