生意気悪魔

驚いて上を見ると彼女は自分の羽をはばたかせ、私の頭上を飛んでいた。

雪を見上げている私の服の裾を空がもう一度ひっぱる。

「早く、だそうです」

「わかった。ちょっとかして」

空から手紙を受け取り、その文面を読み上げる。










『このたびはわが校、アビルトに御入学おめでとうございます。

ご家族とのことはまことに残念でしたが、良き身元引き取り人があらわれ安心いたしました。

今回のラリア様の行動はプラスの得点になります。

報酬とし、寄付金に一万ゼトプラスとなりました。

さらに御入学祝いとして二人に二千ゼトずつ配布となります。

賢く使うように Y.S.』

溶けた赤い蝋に刻まれたY.S.という印章が強く私の目を引いた。

「それはユランジェ様の印章ね。あの方には全て見えていらしたのね」

十伍の母親はあたり全体に一度視線を配り、ため息とともに少し暗い顔をした。

やはり他人にこの状況を知られるのは、あまり嬉しいことではないらしい。

「でもこれなら今月分は心配なくなりました。」

私が笑うと、彼女も少しだけ笑った。