生意気悪魔

「食事のことならうちでカバーするわ。十伍に毎朝配達させるから」

「て、いきなり仕事押しつけんなよ!」

「じゃあこの子たちをほっておくのかい?」

母親にそういわれて、十伍は口ごもった。

「ありがとうございます」

彼女達のおかげで食事の心配もなくなり、私はホッとする。

空に微笑みかけ、互いに安心感を共有する。

そんな時、裏口の扉をノックする音が聞こえた。

そこにいた全員が固まる。

すべての視線が裏口の扉に集まった。

十伍の母親が扉に近寄り取っ手を握った。

「どちら様ですか?」

「こんにちわ。わたくし久遠と申します。本日は我がSクラスの生徒二名に国よりの寄付金をお届けにあがりました。」

扉の向こう側から聞こえてきた名前には聞き覚えがあった。

確かユランジェ様の秘書の人だったはずだ。

「うちの子は一人ですし、Bクラスですが?」

「いえ、あなたのお子様ではなく、ラリア様と空様がいらっしゃいますよね?彼女達に用があるのです。」

一度も部屋の中を見ていないはずなのに、私達がここにいることを彼女は知っていた。

十伍の母親は驚いた表情を隠せずに私達を見た。

私はうなずき、空の腕をつかみ一緒に扉までむかう。