生意気悪魔

「我が主の名は空です。わたくしが彼女の口となり、皆様に主のご意志をお伝えします。」

雪は私たちに頭を下げた。

「そんなことができるの?」

「えぇ、わたくし達使い魔は主と心が繋がってこそやっとわたくし達を操るのです」

雪は天使らしい微笑みを浮かべる。

天使だから当たり前なのだろうけど、少し心が癒されているような気分にまでなる。

「とりあえず、この子をどうするかよね」

十伍の母親の言葉にハッとする。

きっとこのユラン市に彼女を泊めてくれる宿はない。

十伍の家に彼女を置くのも無理だろう。

となると手段は限られてくる。

「私が彼女を引き取ります。」

私以外に適任はいないのだ。

私の家は町外れだし、人通りも少ない。

それに私の家を知っている人も気が付く人も少ない。

「でもラリア…」

「大丈夫だから」

私しかいないの。

ブラックタウンの人が私の両親に何をしたかなんて、私がよく知ってる。

でもそれは彼女には関係ない。

私は空の肩を抱いた。

「本当に大丈夫?」

「はい。ただ食費が心配ですけど」

ただでさえ二人になっただけで苦しい生活なのに。

それが二倍になるのだから、生きていけるかのほうが心配だ。

そんな私に十伍の母親はふんと鼻で笑った。