生意気悪魔

時より私の頬をかすめる葵のしっぽにびくびくしながらも私たちは街へとむかった。



フラリア国は森を中心とした海に面する街が三つあるだけの意外と小さな島国だ。

街は東北に位置するピースライト、南に位置するブラックタウン、北西に位置するユラン市の三つ。

私の家はユラン市の近くの森の入り口にある。

ユラン市は、この国で一番大きな街で学校や大きな商店街があって、ここに住んでいる人は国の人口の二分の一を占めている。

ピースライトは、田舎町だがとても高い品質の食材がよくとれて、元気な人が多い明るい街だ。

二つの街はいい噂が多いが、ブラックタウンは違った。

この国のなかで一番小さなブラックタウンは森の影のせいであまり日がささなく、闇の魔術者が多くて嫌われた街だ。

私たちはユラン市の商店街に着いた。

いつも穏やかな商店街は朝の光を浴びて輝いて見えた。

「パンと卵、果物は十伍がたくさん持ってきたからいいとして、野菜と魚と肉と調味料を買わなきゃ…」

━━まったく…二人分だから買う量が多くて大変だな…

「金は大丈夫かよ?」

「うん…ギリギリ…」

十伍が心配するのも無理はない。

私には両親がいない。