生意気悪魔

｢さっき見てただろ？あの風は上級魔法学生一年になったばかりの使い魔では押さえきれない力だ。しかもラリアはまだ上級魔法学校の校門もくぐったことのない普通魔法学校六年生だぜ？｣

ケイトは口の端をクイッと挑発的にあげてみせた。

｢ほっほっほっ…確かに立派じゃな。久遠クラスわけの書類に記入を頼んでもよいかな？｣

｢はい。どのランクでしょうか？｣

ユランジェ様の隣にいるたくさんの書類を抱えた秘書のような女性、『久遠』が海のように青いペンを手に取った。

｢Ｓランクだ｣

ケイトはさもあたりまえのように言った。

九遠さんは表情を変えずにユランジェ様の顔を見た。

ユランジェ様はあの優しい目で久遠さんに笑いかけてうなずいた。

｢了解しました。｣

九遠さんの青いペンが一番下の枠の上で動いた。

｢ようこそ、ラリア・フロールさん。Ｓランクのクラスです頑張ってくださいね｣

ユランジェ様の優しいしわだらけの手が私の頭を撫でた。

｢えっ…Ｓクラス!?｣

｢ヤリィー!!ラリアやったなっ｣

また後ろからケイトが抱きついてきた。