言葉と同時に力を込められる腕。


・・・・・・・・・。


誰が、誰を好きなの?


二岡が好きなのは………あたし!?


目を見開き、口をぽか~んと開けたまま、何も言えないあたし。


まさしく、放心状態。


一向に、何も言わないあたしを不審に思ったのか、二岡はあたしの肩に手を置いて、そっと離す。


「あのさ~……、人が真剣に告白してんのに……、その顔はどうなんだ?」


呆れた顔で言われて、あたしはハッとする。


「だ、だって! 二岡がいきなり、とんでもないこと言うから!」


「別にとんでもないことじゃないだろ? 前から言ってたのに、誰かさんが人のせっかくの勇気をすっとぼけたこと言って、なかったことにしてくれたし………」


ジロリと見られ、体を小さくするあたし。


あれって、本気だったの~!?


だけど、あたしが勘違いしていても二岡は別に訂正もしてこなかったから。


………いや、普通、せっかく言ったのに勘違いされたら、訂正する気もなくなるか………。


「ご…ごめん………」


「別にいいよ。だけど………今回は、勘違いなんてするなよな」


はっきりと言われて、実感が湧く。


あたし、二岡に告白されたんだ。


それと同時に、やっぱりあたしの頭に浮かぶのは隼人のこと―――――


「二岡、あたし…」


「ストーップ! 今すぐ、返事しなくていいから。今だと断られるのはわかってるからな。ただ、俺はお前のことが好きだということを覚えておいて」


「二岡………」


「じゃあ、俺もそろそろ教室戻るわ。腹が痛いから薬もらってきますって、言って出てきたんだ」


「お腹イタ?」


「そっ。じゃあな、佐倉」