先生と教官室







「ん?」





「あ…すいません。何でもないです。」






私、何言ってんだろ。






先生はそんな風に思ってないって、さっき自分に言い聞かせたはずなのに。






なにまた不安になってんの…?






「ねぇ、あの人かっこよくない?」






「ほんとじゃん、背高いしイケメンだね。」







少しずつ胸が高揚していくのが解る。






先生に感じるものとは全く違う胸の高鳴りが私を襲う。






「声とかかけてみちゃう?」






お願いだから、もう少し小さい声で話してくれないかな…。






「片瀬、会計行くぞ。」






「…………はい。」






私の腕を引っ張る力が強くて顔を上げてみると、先生の表情は少し強張っていた。






先生も気づいてたんだね、自分が女の人に見られてるって。