「とにかく、今日は伊緒にとことん付き合うって決めたんだから行くよっ!!」 恵那の優しさが身体に染み込んでくるようで嬉しい。 けど、その反面すごく苦しい。 こんなにも優しくしてくれてる恵那に、私は一つの事実も話す事が出来ない。 下手な嘘で本当の事を隠し続けている。 「…ごめん。ごめん、恵那。」 今は恵那の優しさに甘える事は許されないの。 「何がごめんなの?」 「今は…何も話せない。」 そう言った瞬間、自分の頬に暖かい物を感じた。 …涙? 私、いつのまにか泣いてたんだ……。