「甲田先生。約束の奴、明日行きませんか?」
「んー…あぁ。」
教官室で一人ソファーの上でうなだれていると、進藤先生が俺の顔を覗き込んできた。
そういえばデートとか言ってたっけ。
伊緒に逢えないストレスからか、他の事にあまり関心が向かない。
というより、何もかもどうでもよくなっているというのが正しいか。
「そろそろ片瀬さんに逢えないストレスが溜まってるんじゃないですか?」
「っっ!!!?」
この男、勘がよすぎるだろ。
それとも、俺が顔に出しているのか?
「…俺の行きつけの店でいい?」
「はいっ、もちろんです!!」
「じゃぁ明日の帰りな。明日は電車で来いよ、飲むから。」
「解りました!!」
ちょうどいい、何もかも知っている進藤先生となら何でも話せる。
そう思うと、少しだけ明日のデートが楽しみになってきた。

