「あ、甲田先生と進藤先生…。」
やっぱりその2人か。
何となく声で解ったよ…。
「おい、片瀬…どうした?」
あ…久しぶりに先生に名前呼ばれたな。
とゆうか声をかけられた事すら久しぶりかも。
「それが急に……」
「な、何でもないです。ごめん詩衣、もう大丈夫だから。ほら、帰ろ?」
「え、あ、ちょっと伊緒?」
そう言って門に向かおうと立ち上がる。
その瞬間、今までの症状に追い打ちをかけるように立ちくらみが私を襲った。
「―――っっ」
でも、さっきみたいにしゃがみこんだりはできない。
もし今ここでそんな事したら、先生達に心配をかけてしまうから。
「伊緒、顔色悪いよ?先生達に車で送ってもらったら?雨も降ってるし…。」
「そうですね。僕もその方がいいと思います。甲田先生、片瀬さんを…」
「大丈夫ですっ。ほら、もう平気ですから!!」
「いや、でもっ」
「じゃ、じゃぁ私達帰りますのでっ。失礼します。詩衣、行こ。」
「あ、伊緒!!すみません、失礼します。」
先生達に小さくお辞儀をし、再び詩衣と門に向かった。
嘘ってばれたかな。
ばれてるよね、先生だもん。
私の考えを何でも見抜いてしまうエスパーだもんね…。

