「いやぁ、本当に助かったよー。ありがとね、詩衣!!」
「もういいってお礼は。そのかわり、今度ジュースでいいよ。」
「え。」
「ぶふっ、冗談だよ。何その顔。すごいブサイクだよ?」
「ちょ、ブサイクはひど……っっ!!!?」
部室から門に向かう途中、詩衣と話している最中に目の前がかすむように薄暗くなった。
「え、伊緒っ?!!」
最初はただのめまいかと思っていたけど、いつの間にかその場に崩れるようにしゃがみこんでしまった。
何、これ……。
周りの風景がチカチカして気持ち悪い。
それに視界がグルグル回っているようで……。
「おい、どうした?」
「何かありましたか?」
あ……その声は…。

