ギクッ

「ヤバっ」


黒板の方を見ると
校長が腕組みをして
アタシを見ていた。


『高橋!何も面白い話してないぞ?』


「すいません。」

もう!!恥ずかしい。



『では、先生を紹介する。じゃあ、桜井先生!どうぞ』


すると、教室の入り口から男の人が入ってきた。

その時アタシは、さっきの恥ずかしさで机に顔を伏せていた。




『初めまして、鈴木先生に代わって担任になりました。桜井直人といいます。よろしく!』

自己紹介が言い終わると同時に、クラスの女子達の甲高い声が耳に響いた。




直人って・・
もしかして、
あの人?

顔を確かめたくて
スッと顔を上げると、

やっぱり
昨日痴漢から助けてくれたあの彼だった・・・


「へ?嘘‥なんで?」


驚いていると友里が
後ろからアタシの頭をポンッて叩いて来た。


『何が、嘘!なの~?恋も好きになっちゃった?』

友里は冷ややかすような口調で言った。


アタシは、一瞬イラッと
きたが、まだ友里に
あの事を話してなかったから気持ちを抑えた。