『…うん』

アリスの声に反応して、咄嗟に出た声は、なんだか間抜けだった。

まるで、たった今夢から覚めた様な声。

いや、声だけじゃない。

僕自身、アリスの声にたった今起こされた様な、変な感じだ。



「シロ。大丈夫?」

アリスの心配そうな声をよそに、僕の頭はまだぼんやりとして、白く厚い霧が晴れる気配は無かった。