『アリスに、永遠の命と永遠の美しさをプレゼントしに来たんだよ』

つい、この間までの僕には、到底理解出来ないだろう言葉が、いとも簡単に、口から出て来る。

以前は、アリスを悪魔になんて、したく無かった。
大悪魔から言い渡された仕事を、苦痛に感じていたのだ。

だけど今は違う。

アリスを仲間にし、二人で生きて行きたい。

時間の流れに侵されない、美しい姿のまま永遠に。


アリスに触れたい衝動が沸き上がり、僕は、アリスの方へと、手を伸ばした。


髪を撫でると、生糸の様な細い髪が、僕の指の間をすり抜ける。


「優しい顔も、するのね」


そう言って笑いかけるアリスにつられ、僕も笑った。