そっと窓に近付いて中を覗くと、アリスは小さなベッドに横たわっていた。

色素の薄い肌、ほんのりピンクに染めた頬には、睫毛の影を落とし、綿素材のシンプルなネグリジェを着て、寝息をたてているアリスは、どの角度から見ても完璧だった。

ひょっとしたら、背中に白い羽根を隠しているんじゃないかと思う程だ。


僕は、薄暗い病室に降り、寝息をたてているアリスに、ゆっくりと近付いた。

声を掛けようとした時、窓から風が流れ込みカーテンを揺らす。

風に頬を撫でられたアリスは、ゆっくりと目を開け、薄暗い部屋に目を細めた。