アリスの居場所を知るのは、簡単だった。

アリスの思いが、電波の様に僕に向けて飛んで来ているからだ。

その思いには、僕に対する嫌悪感は感じられなかった。

少しほっとしながら、アリスから飛ばされて来る『電波』を辿って行くと、やがて、小さな病院へと辿り着いた。

元は白色だったであろう、薄汚れた壁に、切れかかって、ちかちかと点滅している病院の看板。
小さな病院にはミスマッチな、大きな窓に掛けられた白いブラインドは、日に焼け色あせていた。


(見るからにヤブな雰囲気だな)


僕は、その病院の二階にある窓を目指した。

寒空に、唯一開いているその窓から、アリスを感じる。