「仕事って…なんで?」

『なんでって?僕は悪魔だよ?悪魔が社会奉仕でもしてると思った?』

「そうじゃないけど…でも!」

大きな瞳いっぱいに涙をためて、アリスは僕を見上げていた。


これだから、僕達の事が見える人間ってのは、厄介なんだ。
アリスの様に、自殺志願者でも無いのに、見えてしまうのは、尚更。


僕は、目を閉じると、深く息を吸い込んだ。
そして、目を開けると、アリスの瞳を覗き込み口を開いた。

『ねぇ。僕の仲間にならない?』