そのまま、しばらく大悪魔の気配を探っていたが冷たい風に吹かれて、ふと振り返る。

すっかり忘れていた、床にあった服を掴み、いそいそとそれを着ながら、アリスの方へと視線をやった。

大悪魔の言う様に、本当にアリスは僕の事など忘れてしまったのだろうか。

確かめたい様な、だけど知りたくない様な

複雑な気持ちでアリスをベッドへ寝かせると、僕は大悪魔が最後に座っていた場所に腰を下ろした。

床も壁も、氷の様に冷たい。

どこへ行けばいいのか分からず、ただ小さくなって、僕は何時間もアリスを眺めていた。