陣内さんの髪を揺らす風が、
あたしにも吹き抜ける。
これからあたしたちは、一緒に頑張るんだと実感した。
「こんな車内で悪いんだけど、今日をもって担当者からマネージャーに変わった陣内秋史(ジンナイアキフミ)です。改めてよろしくお願いします」
陣内さんのスマートな自己紹介に感激していると後ろのバンドバカたちも我先にと自己紹介をはじめだす。
いやいや、あなたたちはもうとっくに
自己紹介してるでしょ?
と思わずツッコミそうになった。
「はい!着いたよー、すぐ撮影だからねー」
緑色の大きな布の上に4人で立たされて
ひたすらガシャガシャという音と、
カメラマンさんの声が撮影所内に響く。
「男の子3人伏目気味でお願いー、華音ちゃん視線外してーっ!そー!そんな感じ!もうちょっと行くよー!」
1分間の間に何回浴びたかわからないフラッシュ。
足の角度を微妙に変えるだけのカット。
つい何時間か前まではこんな世界にくることをあたしは想像もしていなかった。
「はーい、おっけー、最後あれねー、ジャケ写いくねー。逆光でいくからねー」
撮影は思っていたよりも
とても早く終わったように感じた。
「これめっちゃかっけーんだけど、どうよ準敦」
「うわ、やっべえ、くそかっけえ」
「だなー、これにしようぜー。華音はどうよ?」

