「どうでしたか?」
さっきの悲しそうな表情はどこへ行ったのかと聞きたいくらいの陣内さんの微笑みが視界に入ってくる。
「本当に、あたしは、幸せ者です。こんなメンバーに恵まれて、こんな担当者さんについていただいて…」
止めることもできないくらいに、
大粒の涙が次から次へとこぼれた。
「僕が最初にお電話したその日に、彼等はもうこの事務所にきてたんです」
陣内さんはあたしの向かい側の椅子に座っておもむろに話をしはじめた。
「僕がデビューについて話をして、市原さんにも電話する、となったときに、敦くんが瞬時に僕の腕を掴んで言ったんです。
『デビューは8月7日にしてほしいです。勝手だってわかってるんですけど、その日にしてください。華音にはまだ言わないでください』って。
僕すごい驚いちゃって!
準くんに教えてもらったんです、
8月7日は市原さんの誕生日だって。
それから港くんがサプライズ形式にしたいって言い出して、色々大変だったんですよ〜?」
社員の表情とはまた違った、
本気で何かを楽しんでいるような雰囲気が陣内さんから漂っていた。
それを見て、違う笑いがこみ上げた。

