「あ、スタジオあと5分だよ!」
「やっべえ!華音片付けて行くぞ!」
時計はもう残り5分をさしていた。
慌ててピックやらギターやらを片付ける。
「コウ、はやく!次の人待ってるよ、あんた何もないじゃん!」
ガラス戸の向こうにギターを背負った人影が見えた。
きっと次にスタジオを使う人。
「キーボーダー、バカにすんなっつの!ほら行くぞ」
「「ありがとうございましたー」」
スタジオに頭を下げてガラス戸を向こう側に押す。
ドンッ……
え?
何かにぶつかった。
周りを見ると、さっきギターを背負ってたシルエット姿の人が背中を押さえている。
「っあっ!ごめんなさいー」
謝りながらその人の正面にまわろうとすると、また……。
ガンッ!
「っい゙ぃ゙!?」

