「えーとね…」
棚から青いファイルと黄色のファイルを取り出してパラパラとめくり出す。
「色って関係あったりするんですかー?」
「うん、ある。ガールズバンドは赤、ボーイズは青、混合は黄。Rainbowは黄色だよー。…あ、いたいた!WildHeart(ワイルドハート)」
WildHeart……。
かっこいい名前だなあ。
「今度その彼がきたら教えてください!じゃ、練習いってきます!」
ガチャ――――
「華音がチューニングしたらいったん合わせるからなー」
慌ててギターを取り出してチューニングをする。
ふと弦をはじく手が止まった。
「ねえ、WildHeartってバンド知ってる?」
「きいたことだけある。なんかギタリストがすげーらしいよ」
「ま、ベーシストはそうでもないけど」
準がくるくるとスティックを回す。
「なんか敦ライバル心あるし~。で、そのギタリスト会ったことある?」
全員が首を横に振った。
えー、誰も会ったことないんだ。
どんな人か聞きたかったのに。
ま、ギターやってる限りいつか会えるよね!
「チューニング終わったよ!」
「よし合わせるぞー」
カッ、カッ、
カッカッカッカッ…!

