「君のー♪…」


ヴォ――ン。


げっ!!



「おい、華音!」



「ごめんなさーい…」



弾き損ねた4弦をピンと弾いた。



「コウの分際でうるさいー!」


鍵盤をぴこぴこ押すこいつはあたしの幼なじみ、斉藤港(サイトウミナト)。


「てか、もう華音だけだぞ、その名前で呼ぶ女子…」


その名前っていうのは“コウ”ってやつ。


港ってコウとも読むじゃん!