涙を拭いて。




「あれ?最近憐夏、一人で帰ってない?
一緒に帰ってるの?」


「一緒に帰ろうって言ってるんだけど
先帰られちゃうの…」


寂しげな表情の燐夏。



「そうなんだ…」


「最近、憐夏何考えてるかわかんない
ときあるんだよね」


燐夏がうつむく。


「燐夏がモテるのにイライラしてん
だよ。気にすんな。」


「そうかなあ…」


すると廊下の遠くから、燐夏!と
よぶ声が聞こえた。


「彼氏さんが呼んでるよ。」


亜恋にじゃあね、と手を振って、声の
した方に走っていった燐夏。