涙を拭いて。



「陸上好きなんだろ?」



すると保健室の扉が開いて、担任の
穂高泰吉がやってきた。


「やっぱりここか!」


「あ~、ばれた!?」


上目で泰吉を見る。決して起きよう
とはしない。


「ほら、教室にもどりなさい!」


太一がぽんっと憐夏の足を叩く。


「気分悪いんで休んでます。」


「最近どうしたんだ?」


泰吉がベットの横の椅子に座る。
太一が自分の机に戻った。


「何が?」


「急に態度が悪くなって。」