「先輩、悪いけど・・・ソレ無理だから」
頭の上から聞こえてくる声にあたしはドキドキが止まらなかった。
校内でも人気のある男二人が廊下にいる・・・
おまけにお互いの元カノを間に挟んで・・・なにか話をしている・・・
ってだけで、一気にギャラリーが増える。
あたしは永倉州に抱きしめられたまま・・・現状理解できずに思考停止・・・
先に図書室に行ったはずの由貴までもが野次馬の中にいる・・・
康太は、「またお前?」と呆れた様子。
「先輩、俺、あおいが好きなの。別れたなんて噂も嘘だし。ちょっと喧嘩しただけだし・・・」
「へ?!?!」
あたしは、未だに理解できず・・・
「とにかく!!!!俺はあおいが好きなの!!!だから、ぜってぇーーーーーに渡さない」
永倉州はあたしの頭の上でそう言いきった。

