別れた二人




次の日。





教室に入ろうとドアに手を掛けようとした時、






「あ、ねぇ、州いる?」






永倉州の元カノがあたしに話しかけてきた。





いるかどうかなんて、教室覗けばいいんだし、直接メールでも送って聞いてみたらいいのに・・・





あたしは、ドアの小窓からひょこっと覗いて、「いるみたいですよ?」とだけ答えた。






「・・あ、ついでに悪いけど州を呼んでもらえる??」






・・・ぜったいわざとだ。






あたしは、ドアをガラっと開けはなって、「ご自分でどーーぞ」と言い残し、そのまま教室に入った。





校内でも美人で有名な元カノ。



彼女が廊下にいるだけで教室内がざわめき出した。





そのみんなの反応に気付いた永倉州も元カノに気付く。





あたしが席に着いて椅子に座ったと同時に・・・隣の席の永倉州が立ち上がった。





一瞬、チラっとこっちを見た・・・と思う。




勘だけど・・・





「州!!」





元カノが永倉州を呼ぶ声がして・・・そのまま二人はどこかに行った。