別れた二人





・・・永倉州・・・






永倉州が、あたしの方を見て・・・






口パクで言った。








「おめでとう」









ニカっと笑った永倉州の笑顔を見て、あぁ・・やっぱり擬似カップルだったんだと再確認させられた。







少しでも永倉州の本当の彼女になれるんじゃないかと思ってた・・・







いつか永倉州も元カノを忘れて、あたしに・・・って。







「・・あおい、どした?」






康太の声で、ハッと我に返る。






「ううん・・なんでもない」







「そっか・・・ならいいけど。ってか、髪・・・びしょ濡れ」






あたしの髪を優しく撫でる康太に・・・







ツキツキと胸が傷んだ。