「・・・康太・・・」
「・・・傘持ってこなかったのか?」
「・・う・・うん」
康太と会話するなんて、別れた日以来で・・・
今どんな顔してるんだろ・・・あたし。
別れた次の日にキスしてた光景がパッと頭に浮かんだ。
帰宅する子たちがあたし達を横目で見ながら擦れ違っていく。
「あの二人って別れてたよね?」
「あの人って、州先輩と付き合って別れたばかりじゃないの??」
「康太先輩って、1年と付き合ってたよね??」
きっとそんな風に思われてるんだろうな・・・
「あ・・あたし、走って帰る・・・」
そう言って康太から離れようとした時、
「待って!あおい、ごめん!!」
康太が、雨音に負けないくらいの声で言った。
康太からの言葉に足を止めてしまった。
康太はすぐにまたあたしの横に来て傘をあたしにさしながら、
「・・俺。あおいと別れてから1年の事付き合ったんだ・・・」
・・・そう話を始めた。

