あたしたちは、イルカのプールの最前列の観客席に座った。
最前列は濡れる可能性がある・・・っていうか、絶対濡れるから、スタッフの人にレインコートをもらって着る。
イルカショーが始まり、案の定、あたしたちの席にまで水しぶきが飛ぶ。
まわりの人たちは濡れるのが楽しいのか、「キャァーーー♪」なんてみんな叫んだり。
あたしも永倉州もソレを楽しんでいた。
でも・・楽しめたのははじめだけ・・・
水しぶきが上がる度に右に座る永倉州はあたしの左肩をギュっと抱いて、自分の方に引き寄せてくる。
「つめてっっ!!」 とか、耳元で言うの・・なしだよ。
ドキドキして、イルカショーどころじゃない・・・
・・永倉州・・あたし・・・
永倉州が好き・・・
抱き寄せられて、下から永倉州の顔を覗き見る。
視線が、イルカからあたしに移動して、
「楽しいな♪」 なんて笑顔で言われて・・・
あたし、キュン死しちゃうよ・・・

