頭に浮かんでいるクエスチョンマークに気付いてくれたらしい。
「……あぁ、ごめんね。はじめまして、寺戸 剛です」
間に屋良くんが入ってくる。
「……ほら、前にちょっと話した、長距離のテツ」
「テツ君!」
屋良くんから、聞いたことのある名前だった。
たしか、シュン君と一緒に、長距離を走ってる人。
……そういえば、あたしの誕生日の日に、シュン君が職員室でたしか、テツ、って呼んでいた気がする。
「ああ、君、とかいらない、いらない。名字と名前の最初の一文字づつを取って、テツなだけだし」
穏やかで、同級生なのにあたしよりずっと年上の人と話してる感じがした。
「同じ中二に見えないね、大人っぽい」
そう言うと、屋良くんもテツも笑っていた。
「老けてるってことだよ」
「失礼なこと、言うなよ」
あたしの前とは違う屋良くんの表情。
はじめて聞く、男の子同士の会話。

