夕方になって、宿題をしていると、ケータイがメールの着信を知らせた。
慌てて開くと、屋良くんからのメール。
にっこり、と笑った絵文字だけの文面だった。
これは、自己ベスト、出せたんだろうな。
最近はなんだか、屋良くんの考えることもわかってきたような気がする。
もっとも、屋良くんはとてもストレートで正直な人だったから、伝わりやすかったのかもしれないけど。
「おめでとう」とメールを返す。
すぐさま返ってきた返事には、「これでやっと立川の彼氏になれた」と、書いてあって、なんだかすごく、恥ずかしくなった。
「誕生日おめでとう。プレゼント、何がいい?」
夜中に届いたメールには、返信をすることができなかった。
あたしは、何も欲しいものはなかったし、なんだかこそばゆくて、到底返信できるような気持ちになれなかった。