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「駅伝大会、観に行くでしょ?」

新学期早々の部活中に、ひそひそと話題を持ちかけてくるミサキを一瞥する。



これは、地域が主催する駅伝大会で陸上部に限らず有志の人も集まってチームを作って参加する、いわば町おこし的なイベントだ。

もちろんあたしも、大会があることは知っていて出場するつもりはなかったけど、応援はしたいと思っていた。



「屋良くんが長い距離、しかもトラックじゃないロードを走るなんて珍しいしね」

笑顔を浮かべて言葉を返すと、ミサキの顔が綻んだ。


「実はたっつんも出るらしいんだよね。あー、楽しみ」


そんなことを言いながらいそいそと、自分のポジションに戻っていくミサキを目で追う。


(シュン君も、もちろん出るんだろうな……)

そう、うわごとのようにつぶやいた。



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