逆井光は仙台行きの切符を手にしていた。



『出迎えの人は、この下の待合いにいるんだな』




駅のホームから階段を下がっていくと、待合いの広場があった。




『来てないといいな。



そうしたら、戻ってしまおうか。




別に、今さらあの人と一緒に暮らしたいわけじゃない。





叔母さんなら、戻っても許してくれるかもしれない』