カオリは、近いうちに、実家に戻る事に

していた。

亮が、出て行ってから、一週間後に、

手紙が、届いた。

亮からだった。

”カオリ、本当にごめん…。

俺は、ひどい事をしたと思う…。

正直、どうして、こんな事になってしまったのか、

自分でも、よくわからなくて…、

こんな自分では、カオリの傍にいるのも、

情けなくて…。

こんな、俺で…ごめん…。


…こんな俺を、好きになってくれて、

本当にありがとう…、

ただ、ごめん…亜美の事…。

俺は、結局、両方、傷つけている…。

カオリ、ごめんな。

俺は、カオリを幸せに出来ない……。

だから…カオリ…離婚しよう…。”

 封筒の中には、離婚届が、入っていた。

亮の判は、すでに押してあって、後は、カオリが押すだけに

なっていた。


カオリは、その離婚届けを、引き出しの一番下にしまった。

亮と、離婚するなんて、カオリには、

考えられなかった。