”キーンコーンカーンコーン”

 「卒業式、始まっちゃうよ!」

優美が、慌ててる。

でも、私は、気にならない。

顔を真っ赤にして、ムキになって、

私の手を引っ張って、

体育館に連れて行こうとしている。

優美のあのムキになるところが、

私は、なんかいいと思う。

私は、あんな風になれないもん。

自分に欠けてる物…。

何に対しても、私は、

あんなに、熱くなれない。