色々考えてたら、悠ちゃんが静かに言った。
「美波さぁ…迷ってんの?」
「えっ?」
悠ちゃんは、まっすぐ前を見ていた。
対向車線の車とすれ違うたびに影をつくっている。
「結婚すること、迷ってるんじゃないかと思って」
確かに、少しは迷う。
でも以前ほどじゃない。
なのに、どうして?
「親が決めたから、迷うのは仕方ないとは思うけどさ…」
胸が痛かった。
親が決めたから。
そう言った悠ちゃん。
「迷ってない…」
そう言ったのに、何も言い返してくれなかった。
せっかくちょっと、結婚に対して前向きになれたのに。
また逆戻り。
悠ちゃんが迷ってるんじゃないの?
ずっと小さなころから婚約者だって聞かされていた悠ちゃんだけど…
悠ちゃんが学生時代、彼女がいたことを知ってる。
たぶん、私が知ってるってことを、悠ちゃんは知らない。
偶然見てしまったことだから。
「美波さぁ…迷ってんの?」
「えっ?」
悠ちゃんは、まっすぐ前を見ていた。
対向車線の車とすれ違うたびに影をつくっている。
「結婚すること、迷ってるんじゃないかと思って」
確かに、少しは迷う。
でも以前ほどじゃない。
なのに、どうして?
「親が決めたから、迷うのは仕方ないとは思うけどさ…」
胸が痛かった。
親が決めたから。
そう言った悠ちゃん。
「迷ってない…」
そう言ったのに、何も言い返してくれなかった。
せっかくちょっと、結婚に対して前向きになれたのに。
また逆戻り。
悠ちゃんが迷ってるんじゃないの?
ずっと小さなころから婚約者だって聞かされていた悠ちゃんだけど…
悠ちゃんが学生時代、彼女がいたことを知ってる。
たぶん、私が知ってるってことを、悠ちゃんは知らない。
偶然見てしまったことだから。


