『そうよ。人を驚かすのはもちろん、G.S.Sの中で、仕事が分担されるの。

1つは、成仏専門。現世に未練があって、あの世に行けない霊を成仏させるのが仕事。

2つは、退治専門。人に危害を加える悪霊を退治し、自我を取り戻させるのが仕事。

どちらかを選ばないといけないの』


「仕事が大変そうだけど…人を驚かすのはやっぱ当たり前かよッ!」


人を驚かす幽霊の仕事に、腑に落ちない陽一。


『大切よ!人を驚かしてこそ幽霊。人を恐怖のどん底に堕としてこそ幽霊よ!』


「どんな定理だよッ!本当に、お前らタチ悪いなッ!」


ちゃぶ台があったら間違いなくひっくり返す勢いで、陽一はメリーに突っ掛かる。目を輝かせながら、話すメリーに、何を言っても無駄だと感じ、陽一は諦め溜め息をつく。


「たく。なんで、人を驚かすのが好きな………」


陽一は、ある事に気がつき、自らの言葉を遮った。