「そうだ!さっき創った、わしのオリジナルだ!カッコイイだろ?羨ましいだろ?教えてほしいだろ?なら、わしを敬え!ガッハハハ!」
「やかましいわッ!羨ましくもねぇし、敬いたくもないッ!」

豪快に笑う武志に対して、腹を立てる陽一。さすがの陽一でも、喋るマシンガンに勝てない。

親父が無口になったのは、ぜってージジィのせいだ…!

陽一の父親は、ほとんど無口。父親が喋るマシンガンに育てられたのを思うと、気の毒で仕方ない。

「で、わしに何の用だ?」

ようやく、武志が本題に入ってくれたので、陽一は安心してホッとした。陽一は、竹刀袋からもう一本の竹刀を取り出す。

「直してくれ。後、削ってくれ」

陽一は、武志に竹刀を渡した。

「なんでだ?自分で出来るだろ?」

武志は少し驚きながら、陽一に尋ねる。武志の言う通り、陽一は小学生の時に手入れの仕方を全て教えてもらった。

要領のいい陽一は、苦労もせず覚え、自分で手入れをしている。

「…ジジィの方が上手いからだ」

しかし、武志は何十年も剣道をしてきているからこそ、同じ手入れでも違う。

いわゆる、剣道のスペシャリスト。陽一は、武志の腕前を知っているからこそ頼んでいる。