GAP-Girl×DJ-

そして約束の日になった。


仕事が早上がりの19:30。

いっちゃんは本当にあたしを待っていた。


「おつかれ。お前なに食いたい?」

「ん〜と…お好み焼き!」



いつの間にかあたしは敬語じゃなくなった。

6歳も違う人だけど、関係ないと思う。

より近くなった、そんな気がするの。


言ったとおりにお好み焼き屋に行って、あたしたちは話をした。


くだらない会話だけど、あたしにはどれ一つ忘れられない内容だった。


聞けば聞くほどいっちゃんが近くなる。

だけど、知れば知るほどいっちゃんは遠くなる。



「こないだ○○社のエラい人と話してさ、俺のCD出すことになったんだよ!!」

「今回は俺ピンの曲がいくつかあるから大変なんだよな〜。」

「おとといのレコーディングに○○さんが来たんだって!!」



━━━この人は本当に有名になるんだ。

あたしに何かを話すとき、目がキラキラしてる。


あたしは圧倒される、そして悲しくなる。


もちろん尊敬してる、けど有名にならないでって思ってしまう。


矛盾してるよね…。