「さっき突然大きい発作を起こして……今夜が山だって……」
「それをこえられれば珪奈は、助かるんだよな?」
母は、それには答えず変わりに父が答えた。
「さっき…医者が言っていたんだが、覚悟を決めておいたほうが良い…と。」
「次にまた発作が起きたら、軽くても命の保証はないって……」
「そんな……どうして珪奈が、こんな事にならなくちゃいけないんだよ!」
「今、椎名たちの家にも連絡した。
亜衣[あい]と奏太[かなた]は…出来るだけ早くこっちに来ると言っていた。」
亜衣と奏太とは、亜美の両親達の事で今は海外出張に行っている。
俺たちが生まれる前から仲がよくて、何をするのも大体一緒だ。
「亜美には、言ったのか?あいつ今日デートしているから携帯とかあまり見ないと思う……。」
「メールは、しておいたが返事が来なくて……電話をかけてもさっきは出なかったぞ。」
「俺も一応かけてみる。」
俺はいったん病院の中の、公衆電話のところまで来て携帯で亜美に電話をし始めた。
そうでもしないと、何かしていないと、不安で胸が押しつぶされそうだった。
何とか電話が繋がった亜美に、今すぐ病院まで来て欲しいといって電話を切った。
そして俺は急いで病室に戻った。
「珪奈…頑張って。病気になんか負けるな…また、一緒に遊ぼう。な?話もしよう。」
そういって俺は珪奈の手を握った。
両親は、ただ見ているだけだった。
珪奈は、もともと心臓が強いほうではなかった。
いつもしょっちゅう軽い心臓発作を、起こしていた。
でも、命に別状は無く何年も月日が過ぎた。
