ソファーに寝転がったままのアタシを、
腕を引っ張って起こしてくれた礼くんは

何故か、耳まで真っ赤だった。


「…………」

沈黙の時間が続く。

アタシは、礼くんを
ジッと見た。


「……見んな」

「は……?えっ??」

「そんな目で見んな」


そんな目……?

礼くんはアタシに向き直り、
困った顔をして笑った。


「飴には分かんねぇよ、
お前結構鈍感だから」

「えぇー??何??」


本当に分からないので
言い返す言葉も見つからない。


そんなアタシを見て礼くんが
今度は心から笑った。


「2年も先輩の俺に勝てると思うなよ」


そうアタシの唇に指を当てる。


「…だめ、先輩」

「何も知らねぇお子ちゃまに
大人の遊び、教えてやる」