あたしは二宮透。 
桜川中学校3年4組の副委員長&剣道部の副キャプテン。 

こんなごくごく普通中学生のあたしだけど、少しだけ皆と違う所がある。
それは---------------先生のことが好き、ということ。

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好きな人の名前は、白石和哉先生。
身長165cm、4組の担任で吹部の顧問。
本人は18歳とか言ってるけど、ほんとの所は33歳独身。
口癖は、静かにして注目!

このコトを知っているのはあたしが信頼している友達だけだけど、
その子達にいつも言われる。

いつ好きになったの?-------と。
おかげで説明するハメになってしまった。

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あれは2年の後半の、秋なのに夏の暑さがまだ残っていた日。
今でも鮮明に覚えている。

いつもと変わらない風景を見ながら学校に来たとき、
こんな声が聞こえてきた。

「今日って火曜日!?技術じゃん!
ほんと最悪。」
「ほんと今日ついてないわ~。」

白石先生は人気がない。
色々なウワサがあるからだ。
そんな空気の中に違う先生が教室に来て、

「白石先生はお休みなので、
今日は自習です。」
と一言だけ告げて、授業が始まった。

その日は全然気にならなかった・・・っていうとウソだけど、
まあ一週間も休んだから気になって気になって。
その間授業も頭に入らなくってずっと考えてた。



吹部の顧問、辛いのかな?
あたし、先生に迷惑かけてない?
もしかけてたら辛い・・・ってないないまさかあたしが先生に
迷惑かけてたら辛いっておもうとかホントありえないから、うん!


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いまこうやって改めて思い出してると、そうやってグダグダ思ってた時には
もう好きになってたと思う。よ?

と、友達に話すと目を輝かせて聞いてきた。
「それで透はどうするの!?」
「どうするの?って言われても・・・とりあえず頑張る!」

納得できたのか、そっか。と一言だけ言って友達は微笑んでいる。

そう、その時は。



あたしに災難が降り注ぐなんてこれっぽっちも思わずに。