「夕空…。」 朱雀さんの黒と赤の髪の毛が、フワフワと揺れる。 「熱…上がりそうです。」 クスッと笑って私は言った。 「あ…わ、悪い…。」 真っ赤な顔で私の体をそっとはなした。 「…ありがとう。朱雀さん。」 私は朱雀さんの胸に顔をうずめた。 朱雀さんらしい香水が香る。 「夕空…。」 私の前に、突然に現れたヒーロー。 気づけばこの時から、私の心は徐々に朱雀さんに惹かれていったんだろう。