あの日の朱雀







「朱雀さんがっ…」



「もういいよ。」









「朱雀には…敵わないよ。」




指輪が床に落とされた。




チャリリリリン…




「…っ」




私は拾おうとした…けど




「夕空。」




少し低めの声が展望台に響く。




「いいから。行け。」




桂馬さんは指輪を拾い上げ、またポケットにしまった。




「たった半年だったけど。楽しかった。」