あの日の朱雀




私はおもわず笑ってしまった。




「…夕空?」




桂馬さんが驚いたような顔で私を見た。




「桂馬さん…あんこ…」



「笑った…」




え…?




「夕空が…笑った。」




桂馬さんの頬に、涙がつたう。




「桂馬さん…」




私が笑って



桂馬さんが泣いた。




「よかった…。」




そう言って、口元のあんこを舐めた。




「あの鯛焼きに感謝だ。」









ねぇ。




私が笑って




喜ぶ人がいた




あの人と





同じように